不動産屋であれば、ごく普通に知っていて、ごく普通に使い分けていることがありますが、あえて説明していない(?)と思われることで、知っておいた方がいいことを、ちょっと書いておこうと思います。
中古マンションや中古一戸建てのリノベーション再販は、売物件の中でもよく見かけます。そして、ネットやチラシのうたい文句には、ほぼ必ずと言っていいくらい、リフォームの内容が書かれていると思います。
そのリフォーム内容の文言をよく見ていただきたいのです。
下の二つの文章の違いはすぐにおわかりになりますでしょうか。
- LDKフローリング張り
- LDKフローリング張替え
「知ってます!」という方は大丈夫です。
「知らない・・・」という方はこれを機会に覚えておいていただければと思います。
”フローリング張替え”は、言葉の通りで、フローリングを張り替えています。
”張り替える”というのは、すでにあった既存のフローリングをはがして、新しいフローリングを張っています。
一方、”フローリング張り”の場合は、フローリングを張っているだけです。つまり、もともとあったフローリングは”はがさないで”、フローリングを張っているのです。一言でいえば「上張り(うわばり)」ですね。
もともとあったフローリングの上に、さらにフローリングを張ることがあります。
なぜかというと、フローリングのはがす手間、費用、そして、はがしたフローリングを捨てる手間、費用がかからなくなるからです。
ある意味、とても合理的です。
上からフローリングを張れば、2重のフローリングになるわけですから、下階への物音は響きにくくなるでしょうし、強度も高くなるかもしれません。
しかし、フローリングの厚みの分だけ床が上がりますから、気づかない程度に天井が低くなる、サッシの位置が少し低くなる、キッチンを交換しない場合は、キッチンが少し低くなる、などのように、フローリングの厚みの分だけ影響が出ます。
「まったくそんなの気にしない」
の場合は、上張りはむしろ歓迎だと思いますが、
「リフォームできれいになってると思ってたのに、見えない部分はそのまんまかい!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
色んなお考えの方がおられますから、何が一番いいのかと言い切ることはできませんが、
- フローリング張り
- フローリング張替え
の違いは知っていて損はないと思います。