ずいぶん前になりますが、芦屋のあるビルダーさんの社長に「どうや読まへんか」と言われて、半ば付き合いのつもりで購入した一冊です。
本の題名に「教えたい」とあるのですが、正直ちょっと上から目線のような印象を受けたので、そんなに積極的に読もうと思ったものではありませんでした。
でもせっかく買ったので、実際に読みますと、作者さんの若干かたよった印象もありますが、一部ものすごく共感できるところがあり、感動をした部分があります。
少しだけその話をさせていただきますが、生まれて間もない赤ちゃんがひどいアトピーやぜんそくなどのアレルギーに悩まされ、成長障害があったのですが、そのお母さんは、その原因が当時住んでいた”家”に原因があると直感的に気付いていて、その家はカビやダニ、湿気が多く、普段そこに住んでいない方が家に来られると、「かびクサイ」と言ってしまうほどの家だったそうです。お医者さんからは、ステロイドを処方され、成長障害が発覚したときには入院するようにも言われたそうです。
そこでお母さんは、引っ越しを考えておられました。でも賃貸アパートを見に行くと、結局のところ現状とあまり変わらずカビくさい。新築を見に行けば、新築の特有のにおいで赤ちゃんの皮膚がみるみる赤くなっていく、どうすればいいのかという状況の中で、ある会社で新築の一戸建てをたてることになります。
赤ちゃんが、その一戸建てに引っ越しをしてから、劇的に健康が改善し、睡眠も十分にとれるようになって、アトピーやぜんそくが完治した、というエピソードです。
作者の考え方は、
家は家族を”不健康”にもするし、”家族崩壊”ももたらすし、反対に、家が家族を”健康”にし、”家庭円満”にする。
ということです。
35年というほぼ働いている期間の全期間という長期のローンを組んで、「命を担保」にマイホームを購入するのだから、家づくりにもっと本気になりましょう、ということをおっしゃっています。
赤ちゃんの健康が劇的に改善されたエピソードを読んだ時には、子供を持つ親としては、本当に良かったと思い感動しました。また反対に、赤ちゃんに不健康をもたらすような家に対して、というかそういう家を建てた人に対して「なぜそんなことをするのか」と思いました。資金的な事情もあったのかもしれませんので、批判はできませんが、理想は「存在するすべての家が人体に悪影響を及ぼさないこと」だと思います。
そんな理想はかなわないかもしれませんが、もともとの日本の古来の建て方はきっと人体に悪影響の出るようなものではなかったのだと思います。ただ日本の古来の建て方が、現在の社会にマッチしないことも多いと思うので、せめて私とかかわった方には、そういう健康増進住宅もあるということを知っていただきたいと思います。
この本に書いてある健康増進住宅と全く同じではありませんが、私が親しくしているビルダーさん(本を勧めてくれた社長の会社)は、健康増進住宅を標準仕様で建てておられます。実際に、お客様の中でアトピーやぜんそくが治ったという経験談もたくさん聞きます。過去に土地をご紹介したお客様の中でも数組、そのビルダーさんで建てておられます。私がその会社を紹介する前からすでに知っておられる方も多くいらっしゃいました。
「空気」という目の見えないものを売りにすると、”まゆつば”ではありますが、もし私から土地をご紹介させていただくことがあれば、ぜひおすすめのメーカーさんの一つとしてご紹介したいと思います。
現在は不動産仲介の仕事ですから、すでにあるものを取引することが多いのですが、もしも近い将来、家を建築するもしくは建築した家を売る仕事をすることになれば、そういう家を建てる業者になりたいと思います。
思うことを書き綴ると、延々と続きますので、また次の機会に書かせていただきたいと思います。私の自宅を建てたときのことや、私の事務所の内装のこと、書きたいことはたくさんあるので、あらためて描かせていただきます。長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。このブログにお越しいただいたことを深く感謝いたします。