本日は、西宮市のネタや食レポ等ではなく、思ったことを少し書かせていただくことにします。もしも読んでおられる途中で「おもしろくない」と思われた方は遠慮なく、ページを閉じてください。
今日は以前のお客様に誘われて、夕方から「異業種交流会」に参加してきました。生命保険、社労士、司法書士、税理士、ビルメンテナンスなどなど、いろんな業種の方とお話をさせていただきました。
その交流会の一番初めに、ある方が講師になって、経営心理学というものを講義していただいたのですが、いろんなエピソードが聞けたり、ためになる話が多くあったので、とても有意義な時間でした。
その後の懇親会でその講師の先生に、私は個別にある質問をしました。
「不動産業は今後どうでしょうか」
かなり拡大的な質問ですが、その先生の講義の終盤で、
「現在ある業種の約半分は、人工知能のコンピュータによって自動化され、人間が必要でなくなる」
という話があったのです。私には考えがあったのですが、先生の意見も聞いてみたかったので、「不動産業は今後どうでしょうか」という質問をしてみたのです。
すると、
「仲介業は自動化されてなくなっていくのではないでしょうか」
とおっしゃいました。
「やっぱりか」と思いましたが、私の思った”やっぱり”は、「やっぱりそんな風に思われているのか」という”やっぱり”だったのです。
私自身は不動産の仲介という仕事が自動化できるとは思っていないのですが、コンサルタントの方は「仲介業はいずれコンピュータで自動化されて、人間がいらなくなる」と思われている方がものすごく多いと思います。コンサルタントの方だけでなく、一般のユーザーの方も思われているのかもしれません。
それでも私は、不動産仲介は人間のやる仕事だと思っています。
なぜならば、仲介で我々仲介業者が扱うのは、不動産だけではなく、人の感情を扱う仕事だからです。例えば、物件を選ぶときに、
「なんかここ好き」
とか、逆に
「なんかここはイヤ」
と思われたことはありませんか?あるいは、例えば自分が購入して住んだ家を手放すとき、
「自分が大切に住んできた家だから、いい人に買ってもらいたい」
という感情は生まれませんでしょうか。
その気持ちや感情を仲介業者である私のような人間が感じ取って、その気持ちを反映するからこそ意味があると思うのです。愛着や、その逆の嫌悪感などの人の感情は、コンピュータには理解できないと思うのです。
それに、不動産は人間と同じように、まったく同じものは絶対に2つありません。場所も違えば、環境も違います。人間の顔が違うように、不動産も全部違うのです。車や量産品であれば、同じものがいくらでも作れるわけですが、不動産は違います。
人と人がコミュニケーションをとって、そこに理解が生まれるからこそ成立する取引があると思いますし、私自身が不動産に20年近く携わってきて、そのコミュニケーションが存在するからこそ、契約できた話もものすごく多くあるのです。
それがインターネットで商品を買うがごとく、自動化できるかというと、一部自動化できたとしても、人間の介在は必要だと思います。
インターネットが当たり前になって、家探しの第一歩もインターネットで検索するのが当たり前になり、不動産業者はいかに検索でヒットするかに(私を含め?)必死です。
でも、最終的に物件を絞って最終的に購入の意思決定をするときに、パソコンやスマホのクリックで、家やマンションや土地を購入できるでしょうか。もしも私だったら、(不動産のプロをやっている私でも)それはためらうと思います。クリックで何千万の買い物は私には多分無理です。仮に先に重要事項説明書をもらって、熟読したとしても、無理だと思います。逆に言えば、それだけ購入(売却)を決定するのは勇気のいることだと思うのです。
その人間の葛藤を理解し、一緒になって悩んだり、先導していくのが不動産の仲介業者の役割ではないかと思うのです。ですから、不動産仲介の仕事はやっぱり人がやらないといけないのだと思います。
私自身は、買う人にも売る人にも、その気持ちにこたえていきたいと思っています。また、一度お付き合いいただいたお客様とは一生のお付き合いができるような間柄になりたいと思っています。そして、それが不動産仲介業がなくなることのない理由となれるように、真面目に頑張りたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。