既存不適格と違反建築の違い

コラム

たまには不動産屋らしいことを書いておかないといけないと思いますので、ちょっとした豆知識を書いてみます。

既存不適格物件とは

建築基準法・都市計画法などの法改正によって、容積率や建ぺい率が超過してしまったりして、現行の法令に不適合となった物件のことをいいます。昭和40年代のマンションなどによく見かけます。

たとえば昭和40年代には、合法的に5階建て以上の建物が建てることができた地域でも、現在は最高高さ10mなどが設定されて、マンションでは3階建てまでしか建てれなくなっている場所があります。

このように、建てた当時は合法であったのに、現在の法律に準じない建物を「既存不適格物件」といいます。

違反建築物とは

違反建築物は、建築当時から”建築基準法”を守らずに建築された建物のことです。

どのように見分けるか

違反建築と既存不適格を見分けるには、役所に行って「建築計画概要書」というもので確認します。

建築計画概要書は、当時新築されたときの建築計画の概要が書かれたものです。

建物を建築するには、建築計画を役所に届け出て、許可をもらってから着工しなければなりません。また工事が完了しましたら「完了検査」というものを受けて、役所に提出した建築計画通りに建てたかどうかの検査を受けなければなりません。

完了検査に合格すると「検査済証」が発行されます。これが建築計画通りに建てたという”お墨付き”になります。

しかし物件によっては検査済証を取得していないものあります。

その場合は、合法であるのかどうかの確証がありません。(いきなり違法というわけではありませんが)

検査済証がない場合は、建築計画概要書と現在の建物を見比べます。合致していれば合法である可能性が高いですが、合致しているかどうかはそれだけでは判断ができませんので、せいぜい建ぺい率と容積率が登記簿上の面積でオーバーしていないかを見比べるくらいにとどまってしまいます。しかし、登記簿の面積で建ぺい率、容積率をオーバーしている場合は、違法建築である可能性が高くなります。

  • 検査済証がない
  • 登記簿上の面積で建ぺい率もしくは容積率がオーバーしている

この場合は、違法建築である可能性がとても高いです。

逆に、検査済証は出ていたにもかかわらず、現在の建築基準法に合致していない場合は、既存不適格物件になります。

住宅ローンは違法建築には厳しいですが、既存不適格物件は大丈夫なことも多くありますので、違法建築と既存不適格物件では大きな違いがあります。

ちょっとしたコラムでした。

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